ドアの建付けを調整したい!床や枠に当たるときはどうすればいい?

ドアを開けるときに、扉のひっかかりや隙間風を強く感じるようになったら、ドアの建付けが悪くなっているかもしれません。建付けが悪くなると、ドアは正しく閉まりませんし、使いにくさにストレスを感じるようになるでしょう。
今回はドアの建付けが気になる方に向け、日頃から確認したい3つのポイントをはじめ、建付けの調整方法を状況別に解説します。自分でドアの建付けを調整するときの注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ドアの建付けとは

「建付け(たてつけ)」とは建築で使われる専門用語の1つで、ドアや窓、障子といった建具の収まり具合のことです。ドアの建付けでは、特に扉の開け閉めの様子をあらわすこともあります。
例えばドア枠が歪んで隙間ができてしまったときや、蝶番の不具合による開け閉めしにくさも「ドアの建付けが悪い」と表現される状態です。
ドアの建付けが悪くなる3つの原因

ドアは大きく分けて「ドア・ドア枠・蝶番」の3つのパーツに分けられ、それぞれの不具合が建付けに影響します。ドアの建付けに関わる原因について、詳しく見ていきましょう。
蝶番のゆるみ
ドアの建付けに影響しやすいのが、扉とドア枠をつなぐ蝶番のゆるみです。蝶番は開閉する扉をつなぐために取り付ける金具で、室内ドアでは主に扉の上部と下部の2ヶ所で使用されます。蝶番は扉とドア枠にネジで固定されるため、ネジがゆるむとがたつきやゆるみが発生しやすいです。
扉の傾きやずれ
蝶番のゆるみや建物自体の歪みが発生すると、扉の傾きやドア枠とのずれが生じやすくなります。扉の傾きやずれによって隙間が広がると、開閉したときに床やドア枠と干渉し、建付けが悪くなりやすいです。
フローリングの反りや歪み
長年住み続けた住まいでは、経年劣化によってフローリングに反りや歪みが発生し、建付けが悪くなることもあります。フローリングの反りや歪みがあるときは、建物の構造内で何らかのトラブルが起きている可能性もあるため、状況に応じて工務店やリフォーム店といった専門業者へ相談しましょう。
ドアの建付けで確認したい3つのチェックポイント

ドアの建付けが気になったときに確認したいのは、次の3つのポイントです。
- 扉とドア枠が当たっていないか
- 開けた扉が床に擦らないか
- 蝶番にゆるみやがたつきはないか
それぞれ解説します。
扉とドア枠が当たっていないか
ドアの建付けが気になったら、よく観察して扉とドア枠が当たっていないかをチェックしてみましょう。上下の隙間が極端に狭かったり、広がったりしていなければ特に問題はありませんが、上下左右どちらか一方の隙間が広がり、扉とドア枠が当たっているなら建付けの調整が必要です。不具合の影響が大きくなる前に、早めの調整をおすすめします。
開けた扉が床に擦らないか
ドアを開けたときに違和感があるときは、扉が床に擦っていないかを確認してみましょう。経年使用で蝶番がゆるみはじめると、閉めているときは問題がなくても、開いたときに扉の重みでやや下がってしまうこともあります。床材にキズが付くだけでなく、蝶番への負荷も大きくなるため、開けた扉と床が擦っているときは蝶番の状態を確認しましょう。
蝶番にゆるみやがたつきはないか
ドアの建付けに影響しやすいのは、蝶番のゆるみやがたつきです。日頃から蝶番の状態を確認しておくと、建付けへの影響を抑えやすくなります。ドアの周囲を掃除するときなど、定期的に蝶番のゆるみやがたつきの有無をチェックしておくとよいでしょう。
【状況別】ドアの建付けの調整方法

ドアの建付けの調整方法は、どの部分に不具合が出ているかで変わります。蝶番は比較的簡単に調整できますので、ぜひ試してみましょう。なお、調整の手順は「三協アルミ | 蝶番の調整(建付け調整)」を参考に紹介します。
ケース1.扉が枠の上部や床に当たる
扉がドア枠の上部や床に当たっているときは、扉が上側と下側どちらかに偏っています。以下の手順で調整してください。
- 蝶番の「固定ネジ」をゆるめる。
- 2つの蝶番のうち、下側の蝶番のキャップを取り外し、内部の上下調整ネジが見えるようにする。
- 扉を上げたい場合は「時計回り」に。扉を下げたい場合は「反時計回り」に回して建付けを調整する。
- 蝶番のキャップを元に戻す。
- ゆるめていた「固定ネジ」を締め直す。
固定ネジは軽くゆるめるのみで、決して外さないように注意が必要です。また安全のために、上下の高さの調整は下側の蝶番でのみ行いましょう。
ケース2.扉が枠の左右に当たる
扉が枠の左右に当たるときも、扉の偏りをなくすために調整します。
- 蝶番の「固定ネジ」をゆるめる。
- 「固定ネジ」の近くにある「左右調整ネジ」を回し、左右のバランスを調整する
- ゆるめていた「固定ネジ」を締め直す。
左右調整ネジの場所がわからないときは、取扱説明書で確認します。調整ネジを回すときは安全のため、扉を支えながら調整してください。
ケース3.扉が傾いている
扉が傾いているときは、前後のバランスを調整します。調整は「前後調整ネジ」で行い、手順は以下の通りです。
- 蝶番の「固定ネジ」をゆるめる。
- 固定ネジ近くの「前後調整ネジ」を回し、前後の位置を調整する。
- ゆるめていた「固定ネジ」を締め直す。
「前後調整ネジ」も、蝶番の種類によっては位置が異なりますので、できるだけ取扱説明書を確認してからの調整をおすすめします。
ドアの建付けを調整するときの注意点

ドアの建付けの調整では、意識しておきたい注意点が4つあります。自分ではじめて調整するときは、安全のためにも必ず確認してください。
必ず2人以上で作業する
ドアの建付けは、必ず2人以上で調整しましょう。蝶番の調整は比較的簡単な作業ですが、ドアは大きくて重たい建具です。万が一の事故を防ぐためにも、1人での作業はおすすめできません。
小さなお子様がいるご家庭では、ドライバーやネジの置き場所にも注意するなど、安全の確保を最優先に作業しましょう。
無理な作業はしない
ドアの建付けは、多くが蝶番のネジを回して調整します。固く締まっているネジを無理に回し続けるとネジの頭がつぶれ、ドライバーを回してもネジが動かなくなりやすいです。無理な作業はせずに、難しいと感じたら専門業者への依頼も検討しましょう。
定期的にドアの状態を点検する
ドアの建付けを調整したら、その後も定期的なドアの点検がおすすめ。ドアの建付けは蝶番のゆるみも関係するため、ドアの状態を気にかけていると不具合に気付きやすくなります。
蝶番に不具合がないのにドアの建付けが悪くなってきたら、建物に歪みが出ているかもしれません。放っておくと建物の構造に深刻な影響を及ぼすため、早めに専門業者に相談しましょう。
調整できない蝶番は取扱説明書を確認する
蝶番によっては、調整ネジの設定がなく自分で位置を調整できないタイプもあります。調整ネジが見当たらない場合は、取扱説明書を確認してみましょう。通常とは異なる位置に調整ネジがある可能性もありますし、対応方法も記載されています。
調整ネジが見当たらず、取扱説明書も手元にない場合は、自分で建付けを調整するのではなく専門業者に依頼した方がよいでしょう。
ドアの建付けを調整しても改善しないときは交換も検討しよう

ドアの建付けは比較的簡単に調整できますが、繰り返し不具合が出る場合は、思い切ってドアの交換も検討しましょう。長く使い続けられるドアが気になる方におすすめなのが、大分県宇佐市のドアメーカー、杉野製作所の木製ドアです。
熟練した職人の技術と天然木の質感を活かしたドアは、蝶番まで厳選したこだわりの品。杉野製作所の木製ドアが気になる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。